「いつどこ」ネットは、高齢者痴呆介護研究・研修東京センターケアマネジメント推進室が運営する「新しい痴呆介護」のためのサイトです。「センター方式」ケアマネジメントの紹介と関連する情報を提供しています。

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実践例1:在宅から入院(眼科手術)し、在宅へ戻った事例
年齢 84歳 要介護度 2
性別 障害老人日常生活自立度 A1
居所 在宅(独居) 認知症の人の 日常生活自立度 2b
平成17年3月頃より、ベッドに横たわること多く、原因がわからぬまま受診したり、離床したりしていた。
3月:肺炎の疑いあるが、受診し異常なし。
5月:心臓弁膜症:ステージ1
6月:(残された)右目の視力が裸眼で0..05とわかる。
7月:娘さんと面談、白内障の進行について話合う。
8月:手術するも、手術したことを忘れてしまい目に手がふれる、こすりたくなる等、病院から注意事項として言われたことを記憶しておくことができず、一対一で誰かがつかなければならない状態となる。
報告者 ケアマネジャー

センター方式の活用
(1)アセスメントツールとケアプランの展開ツールとして
○本人の気持ちを探り、気づきを集めながらケアへとつなげる。
5つの視点 本人の気持ち 具体的に援助したこと
「その人らしいあり方」 世話になりたくない、自立していたい。 手出し縮小、見守りを多くする。
「その人の安心・快」 なじみの人の中で過ごしたい。 なじみの人とのお茶飲み、おしゃべりの機会を多くつくる。
「心身の力の発揮」 できることはしたい 料理、ふきん縫い、買い物、茶碗洗い、マッサージすること
「安全・健やかさ」 病気はイヤ、入院したくない。 手術後の入院が短くなるよう、医療機関に働きかけをした。
「なじみの暮らしの継続」 本当は住む所をあまり動きたくない 娘の家に行く、というより自分の部屋にいたい。(わからなくなることの不安)
(2)事業者・家族間のコミュニケーション、情報交換ツールとして
○気づきを家族に伝える。
本人の言葉(横たわる彼女がポツリと言った言葉)

1)何もすることがないから・・・寝てばかりいて・・・
2)こうやって寝ていたら、死ねるかと思って・・・
3)私ばかりでしょ、こんなに手を煩わせて・・・
4)もう、わからない人になってしまいました。だから、ひっくり返っちゃうのよね。(横になってしまうのよね)

この言葉の裏にあるものを家族と一緒に考えました。
(3)日常の情報ツールとして
○ヘルパー間での活用
ヘルパーさんの気づきをどんどんあげ、ヘルパー会議の中で出し合う。その時の本人の行動、本人の気持ちを探り、彼女が何に困っていて、何に悩んでいるのか、元気だった彼女が動かなくなった原因を探っていった。
(4)他事業者との情報配信や会議で
○担当者会議での活用
ヘルパーステーション、デイサービス、福祉用具、ケアマネの4者の中での情報の共有と気づきから援助をどうするかアイデアを出し合う。
(5)利用者が居所異動する時の異動先の事業者への情報の引継ぎ
○白内障手術をした眼科との連携
認知症を持っている方の手術・入院ということで、病院側はとても困惑されていました。ケアマネの私にできることとして、出来る限りの情報を伝達いたしました。「認知症になった経過(センター方式A−1シート)」「被害妄想などが落ち着いた経過(A−3シート)」「できること・できないこと(D−1シート)」「わかること・わからないこと(D−2シート)」を引き継ぎしました。
両目を覆われた時のパニックが想定されることから、娘さんのつきそいと出来るだけ早くに退院し通院での治療に切り替えてもらえないか、と提案しました。ありがたいことに病院関係者の理解と協力が得られ、手術の次の日に退院し、彼女の心の安定を図ることができました。
新しい認知症ケアの視点と具体を学んだ点
この方の事例は地域のケア連絡会の学習の場で発表することになりました。そこでの私たちの検証において、7〜8月にかけては病気探しのようなことをしていたことを私たちは改めて反省しました。実際、白内障が進行していることに辿りつきはしましたが、それでも、尚且つ彼女が、彼女らしく生き生きできるためにはどういう点が重要であること”彼女が笑っていれる安心と快””力の発揮”そこを忘れてはならないことを改めて痛感させてもらう良い機会となりました。


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