「いつどこ」ネットは、高齢者痴呆介護研究・研修東京センターケアマネジメント推進室が運営する「新しい痴呆介護」のためのサイトです。「センター方式」ケアマネジメントの紹介と関連する情報を提供しています。

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実践例3:在宅で家族と同居、デイサービス、宅老所を利用
年齢 79歳 要介護度 3
性別 障害老人日常生活自立度 A1
居所 在宅同居 認知症の人の 日常生活自立度 3a
自宅にて長男夫婦、孫3人、愛犬1匹と同居。介護サービスはデイサービス(1/W)、宅老所(2/W)を利用している。日中は長男が本人の面倒を見ている。自宅での幻覚、妄想があり近所からの苦情等あり家族が困っている、ということで関わり始める。入浴が嫌いということでデイサービス、また宅老所利用前日は「明日、外出するから清潔にしよう」とう家族介護による自宅での入浴を確保している。穏やかな方で対人交流は良好。入浴もスムーズに行われサービス利用は軌道にのっている。

センター方式により、昔から小まめに日記をつけており、平成17年3月頃からその日記が書けなくなってきた、との情報を得、実際本人から日記を見せてもらう。分厚い布張りのきないな日記帳は、数年前を振り返りながら書けるもので、数年前の同じ日、何があったか、何をしていたか、がわかるようになっている。きれいな字でびっしりとしきつめて書かれてあり、今まで本人を「田舎のおばあちゃん」というイメージでしかなかったのが、とても几帳面で繊細な人なんだと思った。

素晴らしい素質を持ちながら今書けなくなっていることが悲しいと思い、きっかけを作りもう一度書くことができるよう場面設定を担当者会議で提案、今までの日記は難しいだろうから、「一言日記」をつけてみよう、ということに。

通所で昼食が美味しいと言っているのに家に帰れば「何も食べていない」と言うので、昼食のメニューと感想を書き家族に報告してみよう、ということで実践する。

始めは「できるかな?」と尻込みをしていたが、スタッフと協働で行うようになった。家族もその姿を喜んでいる。

先日の一場面。献立は誘導しないと書けなかったが、感想を書く時、自発的に「美味でした」と感じでスラスラと書かれ、スタッフの間でやはり文章を書きなれている人の言い回しね、と言っていました。
報告者 ケアマネジャー

センター方式の活用
(1)アセスメントツールとケアプランの展開ツールとして
実際、現状ではケアマネ以外の各事業所の担当者にセンター方式のシートを活用して「Eシート」まで導き出す、ということはできていません。しかし、各担当者がシートの項目を頭に入れているようになりましたので、必要と思う情報については、しっかり聞き取り、具体的なケアの提供ができるようチームでの共有と実践できる方法を提案しています。”個別性を重視した対応が大切だ”と訴えても、そうしたことが中々スタッフに伝わりにくかったのですが、シートを活かして細かく具体的に伝えればわかって貰えるのだと実感しています。

(同様の実践例:デイケア利用の男性)
自宅では取り寄せの水しか飲まない、デイケアは皆お茶で専用の飲水器もない、水道水では臭いもあり抵抗もある、ということで、スタッフが本人より聞き取りを行い沸かした水を冷まし凍らせたものを出して、溶けはじめる冷たくて臭いの無い水を飲んでもらおう、ということになった。
今までなら「面倒くさい」と言ってやってはくれなかっただろうと思います。
センター方式を共有することで、現場スタッフが本人の思いを探り、個別の関わりを工夫するようになってきた例です。
(2)事業者・家族間のコミュニケーション、情報交換ツールとして
○シートに沿って、具体的なモニタリングがしやすい。
(3)日常の情報ツールとして
何気なく発している本人の言葉に敏感に反応し、スタッフも含めシートに書き込んでいる。スタッフがケアマネに報告をしてくれるようになった。私自身がよく言う「キラリと光る言葉」を見出しやすくなった。

支援経過を書くのに本人や家族の言葉をそのまま載せている。●△◎の記号を付けながら記載すると、より振り返りやすくなった。
(4)他事業者との情報配信や会議で
C−1−2シートを見ながら担当者会議を開き、スタッフ間で本人の声を出し合いその声に対してどう思っているのか?どうケアをしたらいいのか?等を検討している。C−1−2シートは本人本位という視点に立つために一番考えやすい。
新しい認知症ケアの視点と具体を学んだ点
センター方式の「5つの視点」や「本人本位のあきらめないケア」という理念は自分自身の中にしみこんでいると思います。その理念が強いあまりか、「自立支援」と「本人らしさ」が相反し平行してのケアは納得しがたいものがありました。自立支援は、その人が自立した生活が営めるよう環境を整え、できるよう支援しながらやっていくこと。でも、本人らしさは今の現状で満足し、何の不都合もなくなんとか生活を本人ペースで送っている状況。本人が求めていないのにケア側がその生活スタイルの中に踏み込むのは、いかがなものかと思っていました。けれど、自立支援の理念を含めて考えるとすれば、プロの立場からその人の生活の質を高めるために(生活しやすい環境・場面づくり)関わりを持ち、提案し、納得していただき、より良い本人らしい生活ができる方向へ導くことが「自立支援」と「そのひとらしさ」を兼ね備えたケアマネジメントなのではないか、と思いました。そういう意味でセンター方式の理念をベースにあらゆる介護・福祉の場面において、全てにその理念は必要不可欠と考えています。


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