「いつどこ」ネットは、高齢者痴呆介護研究・研修東京センターケアマネジメント推進室が運営する「新しい痴呆介護」のためのサイトです。「センター方式」ケアマネジメントの紹介と関連する情報を提供しています。

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実践例5:老健入居
年齢 82歳 要介護度 3
性別 障害老人日常生活自立度 A1
居所 施設 認知症の人の 日常生活自立度 3b
○諸活動に参加するも集中力がなく、活動中にイスから立ち上がり徘徊をされていた。その都度、側に付き散歩等を提供していたが次第に悪化、唯一きちんと参加されていた活動に対しても集中できなくなっていた。表情に変化もなく、発語がみられない。

○日中に加え、夜間の徘徊、不眠傾向にあり、消燈はご本人を居室に誘導することを繰り返していた。

○他者の食べ物に手を出される様子あり。行動の観察を行っていたが、花瓶の水を飲んだり磁石を口に入れる等の異食が始まる。
報告者 計画作成担当者(老健)

センター方式の活用
(1)アセスメントツールとケアプランの展開ツールとして
○言葉として発していないが、ご本人の立場に立ってご本人の考えていること、感じていることと思われる事柄を予想し会話を図り情報収集していった。
○現在の機能だけを見るのではなく「できるのでは?」「わかるのでは?」と思った部分をプランの中に組み入れて取り組んでみた。「できない」と思い込んでいただけで取り組み方法を少し変えることで「できること」が増えた。
○好きなことを知ることで、ご本人に応じた環境設定(ケアの方法)ができた。
○気持ちの変化を知る手がかりとなり、コミュニケーションを図る上で勉強になった。
○これまでの施設側から見たニーズがご本人にとってどうか、「本人にとってのニーズ」に変った。
(2)事業者・家族間のコミュニケーション、情報交換ツールとして
○ご本人の発語が引き出せるようになったことで、ご本人から聞かれた言葉、その時の状況を細かくご家族へ伝えることができた。
○担当とご家族の会だの信頼関係を築くことに役立った。
○これまで思い出される事や担当と話をする事がなかった「昔のこと」を思い出してくださる(ご家族が)ようになり、当時の写真を持ってこられて話をしてくださる場面もできた。
(3)日常の情報ツールとして
○ご家族とのコミュニケーション場面では、情報を随時シートに記入してゆくようにした。忘れそうな時はメモ用紙に記入をし、シートに貼り付けていった。
○シートのどの項目に記入すれば良いのかわからない、という意見もあったため、施設で日常利用していた記録とは別に「ノート」を作成し何でも書いてもらうようにした。
○日々ご本人も変化するため職員が感じたこと、気づいたこと、コミュニケーションを図った際のご本人の反応を記録を含め、出し合った。
○ご本人にとって「快」と感じた事を共通認識して、意識して行き、新たな変化や気づきを見つけていった。
(4)他事業者との情報配信や会議で
○ケース担当者会議の場面で他の職種に新たな情報やご本人の変化点を伝えて行くようにした。また、統一したケアへの意識を高めることにつながった。
○ご家族にも同様に伝えるようにした。
新しい認知症ケアの視点と具体を学んだ点
○「利用者中心のケア」と思いながら日々の業務を行っていたが、それがご本人の「心地よい生活」ではなかったことに気づかされた。
○ご本人の立場に立って物事を考えてゆくことで言葉にできない「思い」を感じることができた。
○受け入れる姿勢の重さを改めて感じることができた。勝手な思い込みでケアを行ってきたことを反省した。
○ご家族がご本人と向き合う気持ちになってくださったことが嬉しく、また励みになりました。(ターミナルも含めて、幸せに最期を迎えるためには・・・と一緒に考えてくださる姿も見えてきました)


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